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ことば の おしごと

私はリハビリテーションライターです 言語聴覚士をしています

失語症の基本① 失語症の原因は?

こんにちは。

言語聴覚士

リハビリテーションライターの水野です。

 

前回のブログで書いた小澤竹俊先生の本

「今日が人生最後の日だと思って生きなさい」。

予約して図書館で借りました。

早速、読みたいと思います。

 

心がけてはいますが

小澤先生のようにわかりやすく話すのは

…難しい!

 

 

これから何回かに分けて

言語障害の代表格である失語症について

できるだけ簡単に書いてみようと思います。

 

まずは、なぜ失語症になるのか

失語症の原因から始めます。

 

 

失語症

大脳の損傷によって起きます。

 

大脳の損傷とは

CT、MRI等の画像所見でわかる、

通常とは違う状態をいいます。

 

ただし大脳の損傷があっても

必ず失語症になるわけではありません。

 

それは脳には役割分担があるから。

そのなかに「言語野」と呼ばれる

言語機能を支配する部分があります。

 

その言語野そのもの

もしくは

言語野相互を連絡する線維が

損傷された場合に失語症が起きます。

 

原因で圧倒的に多いのは脳卒中

脳卒中

脳梗塞脳出血くも膜下出血

 

その他の原因として、

脳腫瘍

脳炎(頭蓋内感染症等)

頭部外傷(交通事故、転落事故等)

中毒症状(一酸化炭素中毒・慢性アルコール中毒等)

などもあります。

 

 

私は言語聴覚士になって13年です。

担当した失語症の患者さんは

病院勤務7年で 20余名

訪問看護ステーション勤務6年で 35名

計 60名程度だと思います。

 

訪問看護ステーションに移ってからの

人数は正確ですが

病院勤務はおよその人数です。

 

60人中、脳卒中以外の原因で

失語症になった方は3人だけ。

脳腫瘍2人と交通事故1人でした。

 

私の経験からも

失語症の原因は主に脳卒中だと

言えると思います。

ことばがけへの意識

泣いてしまいました。

プロフェッショナル 仕事の流儀

「訪問診療医 小澤竹俊」です。

 

在宅で療養する患者さんとご家族を支え、

看取りまで行う医師。

 

小澤先生の患者さんやご家族への

ことばがけが秀逸でした。

ゆっくり簡潔に。

ひとつのことばがけを

30~45秒以内にするようにしていると。

 

ひとつひとつことばの隅々まで

意識が行き届いているように感じました。

 

きちんと聴く。

相手から視線を外さない。

やや微笑みを浮かべた表情で。

沈黙をとる。

相手のことばをそのまま返すこともある。

 

大丈夫、伝わっていますよという

先生の患者さんやご家族への

想いがみえるようでした。

 

自分の患者さんへのことばがけを

振り返りました。

ひとつのフレーズが長すぎる。

間のとり方が足りない。

配慮が不十分であったと反省しました。

コミュニケーションの専門家として

恥ずかしいことです。

 

小澤先生の本

「今日が人生最後の日だと思って生きなさい」

早速、予約しました。

 

 

番組のなかで

ディグニティセラピーという

精神療法的アプローチが出てきました。

終末期の患者が人生を振り返り

周りの人に大切なことや

憶えておいてほしいことを話す機会を作る

ものだそうです。

 

訓練を受けたセラピストが聴き取り

手紙を書いて残す方法がとられていました。

 

いよいよ最期というときになって

患者さんの耳元で

ご家族によって読まれる手紙。

その手紙はこれからご家族に何度も

読み返されることでしょう。

 

前回のブログで書いた青山ゆみこ氏の

「人生最後のご馳走」。

患者さんが最期に人生史を語ることは

ディグニティセラピーでもあったことに

気づきました。

ご家族にとってこの本は手紙と

同様の存在になることと思います。

 「言語聴覚士って、どんなお仕事?」を簡単に

梅って、ふんわり優しい香りがしますね。

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担当しているALSの利用者さんの

梅花見のおすすめポイント。

道明寺天満宮の梅が満開でした。

 

ちなみにALSとは筋萎縮性側索硬化症という

神経変性疾患で難病の一種です。

2014年のアイスバケツチャレンジ

この病気を知った方も

多かったのではないでしょうか。

 

先週末、

最近知り合った人たちと飲みに行きました。

お仕事はなんですか。

言語聴覚士?どんなお仕事なんですか。

言語障害ってどういうことですか。

何が原因で起こるんですか。

それ、治るんですか。

 

個人的な話をし始めるとき

だいたいこういう話の流れになりますよね。

 

こんなときにするざっくりとした説明です。

 

言語聴覚士

言語障害や嚥下障害がある方の

リハビリテーションをする専門職です。

国家資格です。

 

言語障害とは、うまくしゃべれないこと。

嚥下障害とは、うまく飲み込めないこと。

 

そういった障害は、主に脳卒中や難病で起こります。

 

脳卒中とは、

脳梗塞脳出血くも膜下出血を言います。

難病とは、パーキンソン病やALS等、

たくさんあります。

未だ原因や治療法がわからない病気です。

言語障害や嚥下障害は

脳腫瘍や頭部外傷、認知症が原因でも起こります。

 

脳卒中が原因の場合は、

徐々によくなることが多いですが、

完全によくなることは少ないです。

長嶋茂雄氏は、失語症だそうです。

テレビでお見かけする様子では

ずいぶん話せるようになっています。

でも、完全に元通りとは言えません。

難病が原因の場合は、病気が進むにつれて

多くの場合、言語障害も進んでいきます。

 

もう少し詳しく聞かれれば

こう続けるかもしれません。

 

言語聴覚士には「聴覚」とついています。

聴覚障害も一応、専門です。

手話を教える人かと問われれば

それも間違ってはいないのですが

残念ながら私は手話ができません。

言語聴覚士の仕事も働く場所によって

細分化されているのが現状です。

聴覚領域で働く言語聴覚士もいます。

 

音声の領域も専門です。

声の治療のための

ボイスセンターのようなところで

働く言語聴覚士もいます。

 

対象が、

小児か

成人か

によっても話は変わってきます。

今、説明しているのは

主に成人の話です。

 

専門はコミュニケーションと食べること。

意外と幅広く感じませんか。

 

また、少しずつ、書いていきますね。

「人生最後のご馳走」と「人生最後の食事」

 

こんにちは。

 

いきなりですが、私は本が好きです。

図書館が好きです。

住むところを決めたとき、

「図書館が近いこと」を条件に上げました。

 

「食べる」ことに関する本2冊を

ご紹介したいと思います。

初めに「人生最後のご馳走」を

図書館で借りました。

そして別の図書館で

「人生最後の食事」を見つけ、

よく似たタイトルだなと思い、

手にとりました。

 

2冊とも、ホスピスが舞台。

テーマはほぼ同じです。

死期が近づいている患者さんが、

食べたいと望むもの。

それをできるだけ希望する形で

提供しようと試みる

ホスピスの取り組みが書かれています。

 

「人生最後のご馳走」の舞台は

淀川キリスト教病院ホスピス

個別のインタビュー形式で

つづられています。

6種類からの選択メニューとは別に、

毎週土曜日、個別にリクエストできる。

お寿司、ステーキ、お好み焼き、

てんぷら、すき焼き…。

写真で見る料理は、

どれも料亭のような盛り付けです。

管理栄養士さんが患者さんから

聞き取りをし、調理師さんに伝える。

食事療養費を超過した食材費は

病院が負担しているそう。

 

生き生きとした話しことばに

引き込まれます。

決して暗い雰囲気ではありません。

インタビューは食べものに留まらず、

自分史に及び、

そこに思わず感情移入してしまいます。

 

 

「人生最後の食事」の舞台は

ドイツ、ハンブルグ

ロイヒトフォイヤーというホスピス

おそらく実話だと思いますが、

物語風に書かれています。

高級料理店で働いてきたシェフ、

「ループレヒト・シュミット」。

シェフが直接、患者さんと対話し、

細かな作り方や隠し味まで聞き取ります。

いつでも、食べたいものが浮かんだら、

希望することができます。

ドイツ料理に詳しくありませんが、

文字だけでもおいしそう!

材料費は寄附で賄われているよう。

エピローグが…、読んでみてください。

 

 

2冊とも食べたいものの

「質」だけでなく

「量」にも触れられています。

病院勤務での経験を思い出しました。

高齢の方は特に食べ物を残すことに

罪悪感を持つ方が多かった。

病院の食事では、

全量と半量からしか選べませんでした。

半量にして食べきれるようにする、

でも栄養が足りない。

補助栄養の飲み物やゼリーをつけ、

工夫をしていました。

食べきれることが自信になるという視点、

忘れないでいたいと思います。

 

最後に食べたいものに

その方の人生が集約されている。  

「食べる」ことは、

「生きる」うえでどんな意味をもつか、

考えさせられる2冊でした。f:id:Emizuno:20170228002641j:plain

 

訪問の言語聴覚士が足りません

こんにちは。

大阪は冷たい雨が降っています。

そろそろ咲きそろい始めた梅の花。

散ってしまうのではと心配です。

 

先日、大阪難病医療情報センターで行われた

「神経難病におけるコミュニケーション支援セミナー」に

参加しました。

 

内容はコミュニケーション支援事業の報告や

難病コミュニケーション支援導入のあり方の事例検討が中心。

 

事例検討は、多職種混合のグループワークでした。

神経内科医、保健師理学療法士言語聴覚士(私)、

ファシリテーターはコミュニケーション機器を扱う業者。

 

事例ではALS(筋萎縮性側索硬化症)患者への

コミュニケーション支援について話し合いました。

ご本人は話しづらさ、唾液の飲み込みづらさは

自覚しているものの

「話すことは困っていない」と言われている。

ご家族からの希望で、支援を依頼されたケース。

 

この段階で言語聴覚士が定期的に介入すべきという意見には

全会一致で賛成でした。

 

保健師さんが言われました。

「うちの管轄は地域のST(言語聴覚士)さんが本当に少ないんです」

「いても、CVA(脳血管障害)の患者さんしか見たことがないと言われたり」

「単発ではやっぱり不十分で定期的にみてほしい場合、特に困ります」

 

この声は、地域リハビリテーションの集まりに行くとよく耳にします。

訪問ST(言語聴覚士)が数でも足りない。質でも足りない。

 

募集してもST(言語聴覚士)が集まらないのが悩みだと

同グループだった理学療法士の方も言われていました

 

全国には2万人を超える言語聴覚士がいるはずなのに。

病院に集中する傾向は、強く残っていますね。

 

訪問や難病支援の経験がないのは、育てていくしかない。

経験がある人が来ないのを嘆くより先に。

そう思います。

 

私はコミュニケーション支援員でもあります。

あまり実質的な活動はできていませんで

支援員としての経験はほんのわずかしかありませんが。

また、この活動の報告もできればと思います。

 

 

私たち言語聴覚士が属する職能団体

日本言語聴覚士協会のホームページに

言語聴覚士の仕事について詳しく紹介されています。

社団法人 日本言語聴覚士協会

https://www.jaslht.or.jp/

 

 上記ホームページに私の記事をのせていただいています。

よろしければご一読ください。

言語聴覚士の資格取得を目指す方

→先輩の声

https://www.jaslht.or.jp/voice_result.html?id=15

 

勤務先のアクティブ訪問看ステーションホームページで

アクティブ訪問看護ステーション

ブログを書いています。

ST水野(松原)の日記: アクティブ訪問看護ステーション

 

社内の行事等、あまり参考にならないものも

混ざっているかもしれません。

訪問の言語聴覚士がどんなリハビリテーションをしているか

ちょっとでもイメージしていただけたらうれしいです。

はじめまして

言語聴覚士(ST=speech language therapist)の水野と申します。

 

言語聴覚士としては13年目。

資格取得後、長野県の公立病院に7年間勤めました。

今は訪問看護ステーションで働き、6年目になります。

 

これから「書く」ことを本格的に始めようと思います。

リハビリテーションライターを乗ろうと思いますと決意表明をしたら、上司に「言ったもん勝ちですね」と言われました。

それでいきます。

 

私はリハビリテーションライターです!

書きたいのは、論文や文献ではありません。

リハビリテーションや言語聴覚療法などの専門的な内容を一般の方にわかりやすくかみ砕いて書いていきます。

 

専門分野は 地域・訪問・在宅・生活期リハビリテーション(いろんな呼び方があります)失語症、嚥下障害、難病コミュニケーション支援です。

 

まずはここまで。